変わらないヤツを見た
散々あらゆる人に怒られて、
でも、直視するのが嫌で逃げて、
何度かそんな同じ繰り返しをして、
座って手が届くモノだけを掴んで、
それこそが自分の望んだものだと満足して、
その先の目的は常に果たせないで来た。
その結婚も、望みの相手として、
全て祈った通りだと、
大勢の前で、読み上げて発表したあいつは、
何も変わっていなかった。
ブレていないのじゃなくて、
単に変わろうとしない。
この先のあいつの変化はやはり止まったと
私は確信した。
あいつが手に入れた財は、
もっと大きいはずだったのに、
かわいそうにと、思わずにはいられない。
私でも、あいつの変化は
起こっていなかったことを知って、
敗北感の後に、安堵した。
あいつに巻き込まれなくてよかった。
私は、変化しないモノから、
逃げてきたのだったと、思い出した。