コレクション
自分が20代の頃に立てた目標の通り、
同じ目標を目指す相手だったので、
あの人と結婚したと、そいつから聞いて、
悔しくもなんとも思わなかった。
でも、喜んでやれない。
私を選ばなかった事実を
受け入れられないのか、と考えてみた。
あいつの、タブレットに書いては消される
人生の目標や考えの箇条書きを思い出した。
ブレまくっている毎回のその指針。
あいつはそのブレに、今は気づいていない。
自分は一貫していると信じている。
自分のことほど、見えない典型例。
その一行になりたくなかった。
はい達成、と線を引かれる一行。
その達成コレクションになりたくないと、
私は強く思っていたのだろう。
巻き込まれなくてよかった。
安堵が先立つ。